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2016年5月5日木曜日

母は、僕を女手一人で育てた。

母は、僕を女手一人で育てた。 
僕の幼かったころに、亡くなった父は、マンションの10階を母に残した。 
そのマンションからは、夏に花火をみることができる。 

父と母が過ごした街の花火。 
毎年花火の時には、窓際にテーブルを移動して、母と一緒に父を偲んだ。 
花火はいつもきれいで、母はうれしそうだった。 
父は、母に素敵なものを残したなっと思った。 

でも、それは長くは続かなかった。 
僕が高校の時に、うちのマンションの前に、もっと高層マンションが建設されたのだ。 
僕は、景観が悪くなるなぁって、思ってた。 

その年の花火の日、いつものように、テーブルを移動して準備してた。 
花火みれるかな?って、心配だった。 

花火みれなかった。見事にマンションで見えなくなってる。 
音だけの花火。 
あんなに悲しそうな母の横顔を見たことがない。 

僕は、母を連れて、川辺に歩いていった。 
母と見上げた初めての花火。 

父さん、心配するな。これからは僕が母さんを笑顔にする。

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