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2016年5月5日木曜日

大学が決まり一人暮らしの前日の日 
親父が時計をくれた。 
金ピカの趣味の悪そうな時計だった。 
「金に困ったら質に入れろ、多少金にはなるだろうから」 
そういってた。 
二年生のある日、ギャンブルにハマリ家賃が払えなくなった。途方にくれていた時。 
ハッと気がつき、親父の時計を質にもって行った。 
紛れもない偽者であることが判明した。 
すぐに親父電話した。 

俺「おい!偽者子供につかませんなよ!」 
親父「なっあてになんねーだろ人のゆうことなんざ。困った時にこそ裏切られるんだよ 
   最後の頼みの綱になー。がはははは!これが俺の教育だよ。」 
親父「でいくら必要なんだ?金に困ったんだろ?」 
俺「・・・・あきれるわ。十二万貸してください・・・」 
親父「明日振り込むから、何があったかは聞かない。金がない理由は親にいえない事が多いわな!」 
親父「がはははは!女にでもはまったか?このバカ息子が!!ははは!!」 

正直心底むかついたが、親父の声は俺を安心させてくれた。 
今思うと、小さい会社だが経営者らしい教育だったのかなと思う。 
そんな親父も去年の夏、ガンで死んだ。往年の面影も消え、ガリガリになった親父が 
また時計をくれた。まだ箱に入った買ったばかりの時計だった。必死で笑顔を作りながらいった。 
親父「金に・・困ったら質にでも・・・入れろや・・!」 
オメガのシーマスターだった。くしくもその日は俺の誕生日だった。 

俺「親父の時計はあてになんねーから質には入れないよ。」 
二人で笑った三日後、親父は死んだ・・・・ 
親父が死んだ今も、金ピカの時計はメッキもはげたがまだ時を刻んでいる。

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